古屋圭司通信

今年は中華民国が建国されて100年という記念すべき年であり、私は台湾からの招待を受けて10月10日に開催された総統府前での記念式典に参列した。

辛亥革命から100年を受けて台湾と中国はそれぞれ祝賀式典を行った。台湾が祝うのは、中華人民共和国の歴史の「100年」ではなく「辛亥革命が清朝を倒し中華民国が樹立された」という歴史の「建国100年」と言う意味だ。中国も辛亥革命を正当化し、中国こそが孫文の国家建設の理想を受け継いだ、中華民族の発展における新たな時代を切り開いたと強調している。

日本からは、過去最大の70名近い国会議員が訪台した。ここまで多くの国会議員が訪台したのは、建国100年を盛大に祝うのはもちろんのこと、3月11日の東日本大震災で、200億円に迫る世界最大の義援金を頂いたこと、いち早く台湾の緊急援助隊が被災地に入ったことなど、感謝をしきれないほどのまさに友人というべき台湾に心からそのお礼をするためでもある。

台中にある小学校では、こども達が自分のお小遣いから約190万円の義援金を集め被災地に送ったということがあった。それは、1999年の台湾大地震の際に日本がいち早く救援に向かい、日本の義援金で小学校を再建したという経緯から、その恩返しとして今回お小遣いから義援金を集めたというものだ。

自民党議員団では、今回、台中の小学校に出向きその御礼も行った。

一つ残念なことといえば、70名近く参加した国会議員の中には、多くの民主党一回生議員もいた。記念式典参列の他に歴史的価値の高い忠烈祠、中正紀念堂、国父記念館などの見学も行ったのだが、途中で抜けて買い物に行く者や、「中正」「国父」の意味も分からず質問をしていた者がいた。また、王金平立法院長主催歓迎レセプションではご挨拶中に雑談をしていたり、写真をとるために会場を駆け回っていたり、大変見苦しい場面を多く見受けた。もう少し人間としてのマナー・一般常識を持つべきだし、日本代表して外交を行う国会議員としての自覚を少しは持ってほしい。

総統府での歓迎レセプションでは、私は副総統から日本での故宮博物院展覧会の早期開催実現のための具体的な組織作りの要請を受けた。早速我が国としての受け皿のための組織を立ち上げる。台湾とのますますの友好のためにも、過去最大規模となるであろうアジア初、日本での故宮博物院展覧会の開催実現に最大限取り組む所存だ。

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