古屋圭司通信

日本中を湧かせたキューバとのワールドベースボールクラシック決勝戦の翌日、3月22日、キューバ国のカブリシャス大臣が来日されました。カブリシャス大臣は駐日大使としての経験もある知日派として、カストロ首相からの信任も厚い方です。


私は、日本キューバ友好議員連盟会長として、レセプションの主催や懸案である短期貿易保険の枠の拡大などについてカブリシャス大臣と会談をしました。
ご承知のとおり、現在キューバは米国から厳しい経済制裁をうけているため、カナダやスペインあるいはベネズエラなどの中南米諸国との交流を深め、徐々にではありますが、一時の危機的状況を脱して経済成長を遂げてきています。
わが国は、短期・長期の貿易債務を抱えていることが対キューバ貿易のネックとなっていましたが、1999年に、議員連盟の幹事長としてキューバを訪問し、短期貿易保険の再開を約束しました。以来、機械類や医薬品などの輸出は確実に伸びています。年間150億円という保険の限度額を上げてほしいというのが、キューバ側のかねてからの要望です。短期貿易保険再開以来、未払いなどの事故はおきておらず 、貿易の実態に沿うような枠の拡大を関係者に働きかけており、近々その方向で合意する見込みです。
キューバは、中南米諸国の中において、医療や教育は最高の水準を保っており、またメキシコのカンクーンをも凌ぐバラデロ海岸や首都ハバナの歴史的遺産など、観光の分野でも最高の水準にあることは意外と知られていません。
私が、そもそもキューバに関心をもったのは、
1.1989年に東西冷戦が終焉し、世界で純粋な共産主義をとる国は、北朝鮮とキューバのみとなったにもかかわらず、北朝鮮のように情報開示も全く行なわない国と違って、キューバは一般の市民が自由に米国を始めとする西側の情報を、TVなどを通じて入手することができ、その中でも何十年にもわたりカストロ首相が国家元首として君臨し多くの国民から支持されているということ。
2.キューバ国民の対日感情は良好で、文化・スポーツ交流は盛んに行なわれていること。
3.東西冷戦終焉直後は、旧ソ連が主要貿易相手国であったこともあり、国の経済成長率がマイナス70%という、信じられない状況でありながら、暴動やクーデターなどが起きなかった現実。

などの点です。

そこで、この眼で確かめてみようと、初当選間もない1992年に同志議員と共にキューバを訪問したのが国会議員として関わりを持ち始めたきっかけです。爾来、3度キューバを訪問しています。現在は、このような経緯もあり、日本キューバ友好議員連盟会長を務めています。(現在の議員連盟会員は46名)
今後も、文化交流などにも協力していきたいと考えています。

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