古屋圭司通信

19.4.24.JPG 親安倍VS反安倍 参院選後にらみ
 夏の参院選後の政局をにらんで、国会議員の政策勉強会である「議員連盟」の動きが活発化しつつある。議連は党派を超えて同志を募ることができるため、昔から政界の多数派工作に利用されてきた。実は安倍晋三首相の“十八番”の戦術でもある。首相批判の急先鋒の加藤紘一元幹事長らも議連の活動に熱心に取り組んでおり、議連を使った主流・反主流の駆け引きは今後ますます激化しそうだ。
 「われわれは外交非主流派だ。安倍内閣の外交政策を正そうとしている」
 山崎拓元副総裁、古賀誠元幹事長との「新YKK」による安倍包囲網構築を目指す加藤氏は22日の民放番組でこう言い切った。
 加藤氏は昨年夏、「アジア外交・安保ビジョン研究会」(アジビ研)を設立。月1回ペースで、首相の外交政策に批判的な講師を招き、勉強会を続けている。加藤、山崎両氏は27日からアジビ研のメンバーらとともに中国、韓国を訪問。首相の訪米牽制を狙う。
 内政課題でも、野田毅元自治相が「真の地方財政の確立を考える会」を設立した。首相の経済成長を重視する財政・社会保障政策に批判的な勢力も水面下でさまざまな勉強会を続けている。
 議連は自民党内で無数にあり、多くは業界団体などをバックにした議員親睦会にすぎない。しかし、参加に党派の拘束を受けない上、活動を通じてメンバーに同志的な結束が生まれるため、党内で賛否が二分するような案件では、議連が政局のカギを握ることも少なくない。
 
 歴史的にみても、首相が属した町村派は、故福田赳夫元首相が昭和35年に反主流派を束ねて設立した議連「党風刷新連盟」が源流といわれる。津島派のルーツである「経世会」も、故竹下登元首相を中心とした勉強会だった。平成17年の郵政解散では「郵政事業懇話会」が郵政民営化反対派の拠点となった。
 安倍首相も議連活動に熱心で、9年に「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(歴史教育議連)や超党派の拉致議連などを相次いで設立。これが頭角をあらわす契機となった。
 
 その後も自民、公明両党の「人権問題懇話会」が人権擁護法案の成立を目指すと、反対派議員らが「真の人権擁護を考える会」を結成して対抗。小泉純一郎前首相の靖国神社参拝をめぐっては、反対派の野田氏らが靖国問題勉強会で活動を始めると、参拝を支持する若手議員らが「平和靖国議連」を使って首相の参拝を後押しした。昨年の総裁選では「再チャレンジ支援議連」を発足し、福田康夫元官房長官を擁立する動きを封じた。
 安倍首相はこうした議連の「効用」を熟知しているだけに、加藤氏らの動きに神経をとがらせる。加藤氏のアジビ研の動きを牽制するように、首相と親しい古屋圭司衆院議員が「価値観外交を推進する議員連盟」の設立を決めた。中川昭一政調会長も顧問に就任する予定だ。この議連が、アジビ研の動きにどう抵抗していくかが注目される。
 自民党の主な議員連盟

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