古屋圭司通信

19_4_19.JPG 水戸黄門一行を陰で支える風車の弥七。ここぞという場面で風のように現れ、ひと仕事終えると、また風のように去っていく。黄門さまにとって非常に心強いお助けマンだ。「頼りない首相」イメージを払拭し内閣支持率を反転上昇させようと、「安倍カラー」発揮に懸命な安倍晋三首相の周辺にも最近、弥七が出没するようになった。
        
                              週刊文春(4/19) 「THIS WEEK」
 昨年十二月に自民党復党を許された郵政造反組の一人、衆院岐阜五区選出の古屋圭司議員がその人。首相の母校・成蹊大の一年先輩で当選六回、五十四歳。首相が保守派の「同志」と頼む兄貴分である。
 「古屋氏は党内外の厳しい視線を意識し表だった言動を控えていましたが、憲法改正手続きを定める国民投票法案の修正問題で”沈黙”を破ったのです」(政治部記者)
 衆院憲法調査特別委員会の中山太郎委員長らは三月下旬、民主党の主張を取り入れた与党修正案をまとめ、執行部に国会提出の了承を求めた。憲法改正を実現するには民主党の協力も必要、できるだけ溝は埋めておいた方がいいとの判断だったが、古屋氏は中川昭一政調会長に強硬にねじ込んだ。「国家、地方公務員法の『政治活動の制限』を適用しないなんてとんでもない。自治労や日教組の組織的な反対運動を許し、憲法改正阻止の国民投票になってしまう」。それはそのまま首相の考え。結局、公務員法の適用除外は与党修正案から削除された。
 第二弾は女性の再婚禁止期間の短縮問題。与党のプロジェクトチーム(PT)は四月三日、離婚後三百日以内に生まれた子を一律「前夫の子」として扱う民法規定の見直しと合わせ、現行六カ月の再婚禁止期間を百日に短縮する特例新法を提出する方針を確認した。三百日規定はともかく、再婚禁止期間短縮は、離婚を奨励する結果になりかねない――伝統的な家族観を重視する首相の本音はノー。すかさず弥七が動いた。「子どもの戸籍問題と別次元の話。緊急を要する話ではない」と先送りを主張、中川氏にも協力を求め抑え込んだのである。
 「古屋氏は外交問題でも、五月に自身を会長とする『価値観外交を推進する議員連盟』を旗揚げし、親中派の加藤紘一元幹事長らとやり合う構えのようです」(前出・記者)
 ますます張り切る保守派の弥七。首相も意を強くしている様子だが、党内には不快感を示す向きも少なくない。吉と出るか凶と出るか。

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