古屋圭司通信

 「国民投票法案」は、安倍総理が目指す憲法改正を政治日程にのせるという公約の第一段階であるといえる。憲法96条に規定されているように、衆参国会議員の三分の二の賛成と国民投票による過半数の賛成が改正の条件である。この国民投票法案がいよいよ大詰めに来ている。
 昨年からの経緯をたどってみると、自民党案→与党案→与党修正案と進むにつれて大幅に譲歩している結果、公正な国民投票が阻害され憲法改正阻止国民投票法案になりかねないと、我々同志議員は危機感を抱きその再修正を求めて働きかけを行なった。
 主な問題点を具体的に挙げると
・国家公務員法ならびに地方公務員法に規定されている公務員の政治活動
 の制限規定が適用除外となっていること。
・公務員の地位利用禁止について刑事罰が規定されていないこと。
・マスコミ規制が全くないこと。

などなど。他にも投票対象者の年齢や投票方法など自民党案から後退したものもあるが・・・・。
 この法案は議員立法として上程される予定であり、立法府に身を置く議員としてその内容には責任をもたなくてはいけない。しかるに、26日に開催された自民党の「国民投票等に関する特命委員会」にて、私を含め相次いで多くの議員から問題点の指摘をした。
 特に問題なのは、新聞等で指摘されている公務員の地位利用禁止規定よりも公務員の政治活動の制限規定が適用除外となっていること。これでは、自治労や日教組が組織的な反対運動を堂々と行なうことが予想される中、とても公正な国民投票が実施できる環境にならないことは明白である。猿払事件という有名な最高裁判決においても、公務員の政治活動を制限することは行政の中立性の確保、国民の信頼の維持の視点からも合憲としている。この判決にも反することになる。
 我々の活動が功を奏して、最終的には
・公務員の政治活動の制限の適用除外は削除。
・放送法に準じた規制。

が与党案にもられることとなった。
 ただし、与党協議にて、法案の付則にこの法律が施行される3年後までの間に、公務員の政治的制限について定める関連法案の規定につき検討するとの文言が加えられることになったため、今後もその議論の過程をしっかりと検証していく必要があると考えている。

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