古屋圭司通信

 9月10日から62日間の日程で臨時国会が開会した。今回の国会は、テロ対策特別措置法の延長の可否や年金問題をめぐって激しい論戦が予想される。
 安倍総理による所信表明演説は、各メディアがその評価を記しているのでその論評はそちらに任せるが、私が率直に思ったのは、役所からの要望によりあらゆる項目を羅列的に入れることを避けて、コンパクトに仕上げた中に、参議院選挙大敗の反省と衆参ねじれ現象への配慮や、「年金の再構築」、「教育再生の具体化」、「改革の影の部分への配慮」、「主張する外交」、など自らの主張と堅実な具体策が盛り込まれていたことは、率直に評価したい。しかし、健全な保守としての安倍カラーが薄まってしまったことは、正直言って残念だった。
 また、所信では国会における与野党の立場を超えて議論がなされ、透明で建設的な協議が行なわれることこそが、政治の責任であることを指摘している。諸外国で2院制を採る国でも、アメリカの例にあるように、それぞれの院で勢力比にねじれが生じているケースは珍しいことではない。今回の国会において、ひたすら対決姿勢に終始していくのか、それとも、国家国民のために本当に建設的な議論を通じて、お互いの主張を反映させていくことができるのか、正念場だと思う。
 特に、テロ特別措置法の延長は、総理自らが公言しているように、これは国際公約である。だからこそ総理は国際社会の中で、40カ国にも及ぶ国々がテロ撲滅のための協力を実行している中、わが国の自衛隊による洋上給油の継続への不退転の決意を、APECシドニーでの記者会見で「職を賭していく」と言明したのだと思う。
 さて、私は今国会より自民党の政務調査会の副会長に就任した。所信にも指摘された「格差や将来への不安を訴える地方の皆様の切実な声に真摯に応え、改革の果実を地方の実感につなげるため、あらゆる努力・・」を政務調査会の中で、具体的な政策として取りまとめ実行に移していきたいと念じている。また、中心市街地再活性化調査会の会長にも就任した。新まちづくり3法が成立し、今中心市街地の再生の取り組みが始まっている。現在内閣に置かれた地域再生などの実施体制を一元化して、中心市街地再活性化など地域の実情に応じた支援策を推進していきたい。

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