古屋圭司通信

 本日、衆議院事務総長に議員立法として「海外美術品等公開促進法案」を提出した。
2010_11240005.JPG この法案は、海外の国有でない美術品を強制執行や差し押さえなどのトラブルが無いように安心して日本での展示ができるように政府が保証するというものであり、私はこの法案作成から今日まで取り組んできた。
 故平山郁夫先生が強く要請をされていた法案でもある。海外の主要国はこの法律が当たり前のように存在しており、日本に無いのがおかしいくらいのものなのである。
 この法案の狙いの一つは、台湾の故宮博物院の美術品を日本でも展示できるようにしようというものだ。もちろん故宮以外にも世界に存在する国有以外の美術品が対象となるので、所有の経緯がはっきりせずに貸し出しを躊躇している所有者が安心して貸し出すことも可能となる法案である。
 私は各党の文部科学部会に出向き、この法案について丁寧な説明を続けてきた。各党には納得して頂いていたが、与党民主党は先の通常国会でも、速やかに法案を通すとの約束であったにもかかわらず、いっこうに法案の党内続きを進めてもらえず、今に至っている。
 民主党の統治能力が疑われてもしかたない。
 そこで、11月24日に自民党とたちあがれ日本で議員立法を提出することとなった。さらに、24日の文部科学委員会で、この法案と両輪的存在となるいわゆる海外美術品補償法案の質疑・採決が行われた。
 私は質問にたち、文部科学大臣の「海外美術品等公開促進法案」に対する考えを聞いた。
 「補償法案」は政府提案で、そして「公開促進法案」は議員立法でという了解がなされていたにもかかわらず、「補償法案」だけでは片落ちだ。
2010_11240010.JPG 文部科学大臣は、この法案は芸術学術の振興に望ましい法案であり、成立に向け力を尽くして取り組むとの答弁を引き出した。大臣が所属する民主党の調整不足によりこの法案の成立を阻んでおり、大臣として民主党にも働きかけて法案の成立に取り組むことを期待する。
 この法案が成立すれば、世界中の現地でしか見られなかったようなものが日本で見ることが実現し、過去に例を見ない規模の展覧会も可能となる。
 大きな夢の詰まった法案なのである。
 もはや政府与党にこの法案を成立させない理由などない。
 私は残り少ない臨時国会の会期で法案の成立に全力で取り組む次第だ。

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