古屋圭司通信

 私にとって、毎年8月15日の恒例行事だ。
 戦後生まれの政治家であるからこそ、靖国参拝と慰霊祭参列は責務であると思う。
 今、過去の記録を調べてみたら、議員に当選以来20回目の8月15日を迎えたが、そのうち19回は靖国参拝と慰霊祭に参列している。唯一の例外は、委員会の公式出張で日本にいなかったときだけだ。
 両陛下のご臨席を仰ぎ開催される慰霊祭。
 両陛下がご到着前に、私の地元岐阜県から多くの遺族の方々が出席されているので、広い武道館の中で席を確認してまずは岐阜県の皆さんに挨拶に行く。
 私は、日本人である以上、国家のために尊い命を捧げた英霊に心からの哀悼の誠を捧げることは当然と思っている。中国や韓国が閣僚による靖国参拝を批判することに遠慮して、今回は閣僚から一人も参列しないことを事前に声高に宣言する政府の行動は近隣諸国への迎合そのものだ。
 そもそもかつて冷戦の時代には靖国参拝でこのような批判を中国はしたことはない。
 しかし、その後の冷戦の終焉、旧ソ連の解体など世界情勢の変化で、中国は日本への戦略を変更し、事実上の内政干渉を堂々とやって自民党時代も含めて政府の弱腰が、中国に付け入る隙を与えているのだ。
 政権交代後はじめての慰霊祭であったが、総理や議長の追悼の言葉は、アジアの皆さんに苦痛を与えたなど自虐的な言葉が目立ち、遺族の皆さんは複雑な心境で聞いていたのではないかと思う。国家や祖国の安寧を願いながら命を捧げた英霊の前で言う言葉としては、極めて不適切だと思う。
 まずこれは、先の大戦で亡くなった英霊を追悼する式典なのだから、心から哀悼の誠をささげ、その貴重な犠牲の上に今の平和な日本が存在するということで充分だ。
 ただ、議長の式辞で戦没者のうち115万柱の遺骨がまだ祖国にもどってないことに言及し、国家の責任で遺骨収集すべきとの発言は、評価したい。

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