古屋圭司通信

 今から2年余り前、平山郁夫先生(東京芸術大学学長)が、世界の歴史的文化遺産保護に関心を持つ有志議員と意見交換を行なった際、「戦闘機の尾翼のひとかけらの予算を認めてくれれば、日本が長年かけて蓄積してきた世界最高の文化財修復技術を国際貢献に主導的に役立てることができる」との発言をきっかけに、自民党議員によって「文化財国際協力推進議員懇談会」設立しました。中山太郎議員を会長とし、私が幹事長を務めることなり、今日まで議論を進めてきました。
 日本は、アフガニスタンやイランなどで、修復専門家がすばらしい成果をあげていますが、対外的にはその認知度は低くその功績に比べて評価は決して高くないのが実態です。イラクにも貴重な歴史的遺産が多数存在しますが、戦争の影響で大規模な修復が迫られています。イラクへの自衛隊派遣で一定の評価は得ているものの、憲法上の制約により米国やイギリスなどの軍隊の後方支援やインフラ整備などに限定されていることから、対外的には主導的な役割を果たしていないとの認識です。
 そこで、このような国際貢献を目的とする法案を議員立法として国会に提出・成立を目指すために、超党派の議員懇談会を設立しました。
 この、「文化遺産に係る国際的な協力の推進に関する法律案(仮称)」を成立させ、政府の意思として日本が文化財の保護・修復に対し主導的に国際貢献が行えるようにし、わが国の国際的地位の向上を目指してゆくことが私たちの目的です。引き続き幹事長として、法案成立に向け努力してまいります。
今後は、衆議院法制局や関係省庁とすり合わせをしながら、法案の条文作成を進めていきます。私たちの目標としては、連休明けには条文を完成したうえで、今国会に提出・成立を目指して参ります。
3月8日岐阜新聞
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